ブルーアワーを観て台風が来てもジョーカー熱が冷めない

 この記事は映画『ジョーカー』等のネタバレがあるので、まだ観てない方は先に劇場へ足を運んで頂きたい。

 

 

 台風というのは何も悪いことばかりでなく、店を閉めて談笑しているだけで給料が発生するなど、私に限って言えばむしろ良いことのほうが多かった。小学生の頃であれば外に出て超次元サッカーをしたいなどと思っていただろうし*1、台風サイコーなどと言っていただろうが、流石に歳をとり配慮を覚えてしまったため、そんなことを言うつもりはない。悲しいことだ。

 ちなみに超次元サッカーを実際にやったことはない。当時からサッカーができるだけの友人を持っていなかったので。

 

 つい先日、テアトル新宿で『ブルーアワーにぶっ飛ばす』を観た。なんとまあ抉られる映画で、しんどくなってしまった。この映画を観て救われた気にならない(スカッとしない)のは、私がまだそのフェーズを経験していないからなのか、そもそもそういう話なのかどちらだろう。ともあれ、主演の夏帆が今までで一番好きな夏帆で、それだけで価値があるのだが、それだけの映画では決して無いしこれまた知人はみな観てほしい。完食したパフェに文句を言うシム・ウンギョンなども最高。

 

 『ブルーアワーにぶっ飛ばす』を観て確信に至ったのだが、『ジョーカー』は私にとってエンターテインメント映画だ。両者に関係があるわけではないが、前者は年に一度観たいと思う*2のに対して、後者は既に二度観ていることからも、そう断言できる。『セッション』的なカタルシスがあり、しかしそれはジョーカーによって作られたストーリーだというオチ*3。掌の上でコロコロである。

 ジョーカーは謎が多いからこそジョーカーで、だから過去などを明かす必要はないという派閥があるようだが、本当に最後まで観たのだろうか。「誰しもがジョーカーに〜」などというのは論外で、それは仮面ライダーの変身ベルトをつけて喜んでいる子どもにしか見えないよと言いたくなる。映画の中でも、暴徒と化したゴッサムシティの市民の多くがピエロの仮面という変身アイテムを身につけていた。顔に直接ピエロのメイクをする人間とピエロの仮面をかぶっただけの人間とは全く別物だと私は思う*4

 最後の精神科医(?)とのシーンがなければ、変身アイテムを身につけて喜ぶ子どもが大量発生することがこの映画の成功を示すことになったのかもしれないが、しかし事実そのシーンがあったのだから、そういう子どもが出て来てしまうのは残念という他無いだろう。

 

 『ブルーアワーにぶっ飛ばす』はとても良かったしBlu-rayを買う準備もあるのだが、しかしこのように『ジョーカー』熱が全く冷めない。上映館が多くいつでも観ることができてしまうというのも財布に良くない。もう一度観ようと思う。

*1:今もしたい

*2:本当です

*3:私にはそう見えたが、様々意見のあるところだと思う

*4:壁に直接画鋲をさせる人間とさせない人間を扱ったドラマはこちら