映画とか本とか
『HUMAN LOST 人間失格』という映画が公開されるそうだ。
以前の記事で少し触れた『人間失格 太宰治と3人の女たち』は、話を聞くに伝記映画らしいが、この作品は太宰治の『人間失格』を原案としたオリジナルアニメーション映画らしい。
予告編を観てみたら、なんとも豪華な声優陣で怖い。制作陣を見ても、どこかで見たような人ばかりで怖い。正直なところ伝記映画よりも興味があるのだが、予告編冒頭の某有名なセリフや、「貴方は、人間合格か、人間失格か」というキャッチコピーにかなり引いてしまっている。(好きなキャッチコピーは『魔女の宅急便』の「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」)
こういうタイプの作品は、突き抜けるか、さもなくば死をという感じに思っているので、 割と期待はしてしまっている。どうかよろしくお願いしたい。
さて、こうも続けて太宰治映画の情報が入ってくると、その作品を読み直さないわけにはいかなく、ため息をつきながら『人間失格』を読んだ。
ここで改めて感想を述べることはしないが、この作品について触れたものの中で一番好きなものとして、岸田秀の『自己嫌悪の効用』を挙げておく。
わたしに言わせれば、『人間失格』は、この上なく卑劣な根性を「持って生まれ」ながら、自分を「弱き美しきかなしき純粋な魂」の持ち主と思いたがる人々にとってきわめて好都合な自己正当化の救いを提供する作品である。
『人間失格』を読んで救われた気持ちになった人たちは、これに反論できるだろうか。私は救われた側の人間だが、全く反論できない。しかしこうも的確に指摘をされると、全く嫌な気持ちにならないし、それでいて『人間失格』に対する私の評価が変わることもない。私は大変便利な脳を持っているため、そこは矛盾しないと考えている。それこそ、自己嫌悪の効用というものだろう。
これは同氏の『ものぐさ精神分析』という文庫に収録されているため、『人間失格』に関係なく、読むと面白いと思う。
『人間失格』を読んだ後に『斜陽』を再読したのだが、あれは本当に良い作品。好き。その他にもおすすめは多くあるが、それらはいつかまとめたいと思わないでもない。
読書記録
まだ半分くらいしか読んでいない。 書店で平積みされているのをずっと見てきたが、帯だけ見て食わず嫌いをしていた。面白い。
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来年から社会人になってしまうため、おさらいが必要だった。複雑化した社会の中ではルールを理解している人が一番強い気がしたというのもある。増税後のキャッシュレスのポイント還元制度を全部把握している人はどれくらいいるのだろうか。
太宰治を読み返すにあたって、本棚にあったからこれも再読した。あとがきがピースの又吉直樹だったことを初めて知った。これについても、いつか書こうと思ったり思わなかったりしている。